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〈Heart of Voice in QUATTRO Vol.2〉
2003.3.23@クラブクアトロ
TJ山猫の、第6感(?)ライブレポ
  
 私は山猫。行って来ました3月23日、クラブクアトロ「Heart of Voice in QUATTRO Vol.2」に。この日の出演バンドは全4組。内、私がその存在を事前に知っていたのは(大変、大変失礼ながら)、花の紅白歌手、キンモクセイの皆様のみ。 誤解のない様前置きしますが、この日の出演者がマイナーだと言いたくてこんなこと書いてるわけじゃないのです。そのくらい私は音楽に造詣が深くない人間だっちゅうことです。頼るものは直感のみ…。そんな私だから書ける(?)先入観ゼロの第6感ライブレポート、始まり、始まりぃ。

※はい、始まり、始まりぃ! 山猫さんの第6感を信用できないわけではないのですが。一応私、TJ音楽担当として、ちょこっと追記させていただきますけん(じゅん作)。
  
[その1]コーツ
 会場前列の一部に熱狂的なファンがいるらしく、登場と同時に黄色い歓声が…。ステージに現れた時はアイドルかと思いました、かわいらしすぎて。1曲目が始まってもこの印象は変わりません。ピョンピョン跳ねるステージアクションにもどこか軽さが漂い、曲調としてはロックっぽいのですが、全体に歌謡曲の明るい無意味さに満ちています。「ああ、こりゃロックの皮をかぶったアイドルだ。私ゃもうコーツ見切ったわ」と、思った。のが、甘かった。
ややアコースティックな雰囲気の"カフェモカ"、重たい音がズガンズガン飛んでくる"ハロージュンイチロー"、攻撃力大の"冷たい太陽"。…後半に進むに連れ、曲調も、表情も、インパクトも、くるくるくると変わっていって、それぞれ別のバンドが1曲ずつ演奏したかのよう。登場の瞬間とは全く違う3人がそこにいました。
正直、決して私好みの音楽ではないのですが、その引き出しの豊富さとチャレンジ魂には脱帽。アイドルは政治風刺ソング歌いませんね、ハイ。自分の浅い見識を反省いたしました。

※うん、そうですよね。私好みであるかどうか。それ以前に心を持っていかれる部分ってあるもんです。山猫のコメント通り、コーツの場合、その引き出しの多さゆえに分析しにくい部分もあるのですが。うん。
  
[その2]松ヶ下宏之
 元Bluem of youthの松ヶ下さん。「歌うのは照れくさくて」とはにかみながら、ブルーム時代のインストゥルメンタルのほかに、新曲の弾き語りも披露してくださいました。楽器はローランドの電子ピアノ1台と、松ヶ下さんの喉。伸びと透明感のある声が、シンプルなピアノの調べに心地よく絡みます。夜のライブハウスよりは、青空の下で聴きたい歌。広い野原の真ん中で、空は晴れ渡って、涼しい風が吹いていて…そんな空間で、できれば(贅沢ですが)少人数で。曲を聴いている間だけ、私の心はクアトロから飛んでおりました。しかも、爽やかな曲調とは裏腹にトークがオモシロイ! 草原へ飛んだ心を一瞬にして「なんば花月」へ瞬間移動させられた感じ。芸人に例えれば山田花子? そして次の曲が始まればまた草原へ。ああ、間髪入れずにまた面白トーク! …深い。曲とのギャップがあまりに激しい、松ヶ下さんの懐深そうな人間性に興味津々でした。

※僕的には松ヶ下さんの声。これにつきました。これからの彼が歌にのせていく言葉。気になりますよね。
  
[その3]広沢タダシ
「服を引っ張る彼女」「水たまりに飛び込んで服を汚したくなる」「タバコなら窓を開けてよ」…日常で一度は誰もが経験したような台詞やシチュエーションが、絶妙なタイミングで挟み込まれる歌詞はとても印象的。その「THE日常」な世界に、前向きなようなだらだらしているような、これまた今時の若いモンなら一度は考えたであろう悩みや思いが織り込まれていく。広沢さん本人の、プレーンなシャツに細身のジーンズ、メガネという飾らないルックスもピッタリはまっていて、どんどん曲の中で描かれている世界に入り込んでいってしまいます。
今までの来広公演はすべてアコギ1本の弾き語りスタイルだったそうですが、今回は結束の固そうなバンドメンバーを引き連れての登場。1〜3曲目とバンドものが続き、広沢さん初体験の私としては「アコギ1本でも聴きたいぜー」と欲求不満が溜まり始めた頃、見計らったように弾き語りを披露してくれました。両方聴き比べて驚いたのが、広沢さんの声量と声の広がり。バンドだろうと弾き語りだろうと、伸びやかな歌声の威力は常に一定。あまり歌い上げているようには見えないのに、歌詞の一語一語が耳に飛び込んできて、くっついて離れないのです。滑舌が素晴らしく良くて、詞が音に流される瞬間がありません。「こんなにやる気なさそ〜な服装なのに、なぜ…(失敬)」。圧倒。またも反省。さらに去り際には「このあとはキンモクセイのライブ、楽しんでください」と、トリへの配慮も忘れない。素敵過ぎ。もう私、ファンと言っても過言ではありません。

※そう、彼は天才!だと思いますね。ソングライティングのセンス、あとはやっぱ歌詞かな。この日のステージのもう1つの見所はバンドでした。さすが亀田誠治! ベース中心に織りなすアンサンブル。素的すぎっす…。
  
[その4]キンモクセイ
ラストはキンモクセイ。彼らが現れた途端、会場全体の熱気がぐんと上がった感じがしたのは気のせいではないはず。「もったいないから、すぐには演らないだろー」と踏んでいた大ヒット曲"2人のアカボシ"を早くも2曲目で登場させる大判振る舞い、恒例だという「おしゃれ告知コーナー」など、彼らのライブはとにかくサービス精神満点! 演奏している時の表情もとても楽しそうで、仲よさそうで、一緒の空間にいるだけで、こっちまで何か温かい気持ちに包まれてしまいます。
おそらくよく言われていることなんでしょうが、どの曲にも共通して漂うのが、独特のノスタルジックな雰囲気。夕暮れの坂道をお家に向かって全力で駆け抜けていくような、好きな男の子の靴箱に手紙を入れてみるような(そんなことしたことないけど)。どこか懐かしく思い出す、「ほんのちょっと昔」の香りが漂ってきます。どうしてこんな気持ちにさせられちゃうんでしょうか。明るいのに切ない感じがするメロディラインももちろんですが、この日聴いた限りでは、歌詞に日本語以外の言葉をほとんど使っていないことが大きいような気もします。彼らの曲を日本語が分からない人が聴いたら、どう思うのかな? やっぱり私のように、嬉しいような悲しいような、不思議な気持ちになるのでしょうか。ラストは"さらば"。さらばしたくないぜ!と思いましたが、アンコールはなし。恋愛と一緒で、ちょっと未練があるうちに、少し切ない気分で聴きおえるのがいいバンドなのかも。

※"2人のアカボシ"のノスタルジックな世界感はもちろんですが、僕は新作発表のたびに見せる新しいサウンド・アプローチが気になって仕方ありません。ヒット作のイメージに先入観を持ってしまいがちですが、一度頭をリセットして聴けば、かなりの名曲揃いなことに気付いたりして…。もっともっとデカく、クアトロでワンマンをかませるくらいのバンドになってほしいですね。うん。

(Text by 山猫&じゅん作)

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