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■ライブレポート >>ライブレポートトップ
古瀬陽子
2002.10.31@LIVE cafe Jive
楽しいのに、じんわりと、しみた夜
  
この日はマスコミ披露も目的にしたコンベンション的ライブ。
前日インタビューしたばかりの古瀬さんに会いにJiveへ急いだ。
「ライブができるアーティスト」を育てることを目的に、全国のプロモーターが集まって立ち上げたレーベルからの、デビュー第一弾ということで、期待はいやおうなく高まる。
ただひとつ、気になっていたのは取材時の彼女の言葉。


「あんまり感情を入れすぎるとダメみたい。ライブみたいに、サッとレコーディングしちゃわないと(笑)」
  
Jiveの、あの小さなステージに古瀬さんが登場する。
会ってすぐに「わぁ、小さいですね〜」なんて失礼なことを言ってしまったけれど、ステージに立った彼女はやっぱり華奢。
満員の会場で人並みをかきわけて最前線でカメラを構えた。
デビューアルバム『こんな夜に』からの曲をアコギで奏で、歌う。
最初は緊張してたみたいだけど、歌う段になれば実に堂々としたもの。小さなカラダから、力強く優しい音があふれ出て、いつの間にか彼女がグンと大きく見えてきた。
  
MCでは学生時代のバスケ部での話をしてくれた。
小さいけれど、頑張って副キャプテンになったこと。
小さいから、なかなか試合に出られなかったこと。
最後の試合に出場の許可が出たけど、あっという間に終わってしまったこと。
  

小気味良いテンポの楽しい語り口調と、なんだか切ない、でも誰でも似たような経験があると感じさせる、小さな挫折の物語。まんま古瀬陽子の歌じゃないか。
まんまとしてやられました。本人は、そんなつもりはないんだろうけど。

  
やがて“MAMA”を歌い始めた彼女は、感極まって涙を見せた。だけど、最後までしっかり歌いきった。
「ライブができるアーティスト」の意味と、アコースティックスタイルの自由さ…極限の感情も、歌の一部にしてしまえる強さ。そんなことを感じたライブ。
歌のチカラ、ライブの楽しさはもちろんだけど、彼女の、パーソナルな魅力に触れられたようで嬉しかった。この先、こんなにアーティストが近く感じられるライブは、そう滅多にないだろうな。

(Text by トニー)
  

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